パピーベストインショーの勝因(中編)

ベストパピーインショーの勝因の2つ目、マナートレーニングです。

蘭丸が、ショーを楽しみ、彼らしいキャラクターを見せるために行った方法です。

愛犬がその犬種らしい姿を自然に見せる場面があります。

そのほとんどが、ドックランなどで自由に、自分の意思をもって本能的に行動する場面ではないでしょうか。

下の動画「やる気満々の蘭丸」は、リードをつけていますがある程度自由を許した状況です。本能的行動が見られ、精神的にも満足していることがわかると思います。

私がビーグル犬をハンドリングし始めた当初は、毎日スタンディングポーズの練習と歩様調整を重ねていました。

その甲斐があって、愛犬はビシッ!とスタンディングポーズを決めるようになりましたので、周囲からはマナーが入っていると称賛されたこともあります。

しかし、ある時からショーリンク内での動きに何か物足りなさを感じるようになりました。

置物のようなスタンディングポーズやハンドラーの指示を過剰に意識し歩行するビークル犬は、犬種の特徴である活発で陽気さを欠いていました。また、不適正な練習で、愛犬の歩様に癖が生じたこともあります。

本来持つべき闘争心や躍動感に欠け、今ひとつ楽しさを感じなくなったんですね。

その時以来、下記のようなトレーニング方法とハンドリングに切り替え、犬の魅力を最大限に引き出すように努めています。

スタンディングポーズは、ブラッシングの際に自然な流れでセットアップします。魅力的なポーズができたら、即フードを与えながら再セッティングして終了します。

ポーズを長時間維持することを求める方がいますが、そのような方法はかえって犬のモチベーションを下げます。

本能的な集中力があれば、持続したポーズは可能です。トレーニングの中で、本能的集中力が発生するタイミングを見つけ出し、”スイッチ”を形成します。

多少の動きがあった方が、審査員に犬の魅力が伝わると思います。必要な場面で”スイッチを”ON”し、審査員の視線を釘付にできればOKです!

ドックショーでは、歩様審査もあります。犬種の特徴を表現した歩様を見せなければなりません。今回のショーハンドリングでは、一般的なレスコリードを使用しました。レスコの利点は、頭のを高い位置で維持しながら歩行させることができます。またワックスの付いたコードハイド素材で、手が滑らないのも特徴です。リスクを少なくハンドリングできますので今回選択しました。

しかし通常は、トレーニング、犬がショー慣れした際には、細めのチェーンを使っています。

トレーニングにより、チェーンの微妙な操作で犬とコミュニケーションを取ることが可能となります。例えば、軽くあごの下をタップし頭部の位置をコントロールする。チェーンの擦れる音で歩行スピードを調整するなどを行っています。

また、犬との適度な距離を保てるので、アイコンタクトしやすい、犬の良いキャラクターを表現しやすい等のメリットも多くあります。

そのほかに、ヒトのリハビリテーション理論を使った体幹バランスや反射神経を利用したトレーニングも行っています。これらトレーニングは、ヒトと犬との間で起こるコミュニケーション上の障害を克服し、無理なくポージングを教えることができます。犬が本来持つ美しい姿でポーズをとり、歩行するために有効な手段です。

内容が奥深いので、詳細は別の機会にします。


今回は、蘭丸のキャラクターを生かしたトレーニングを行い、ショーリング内で「阿吽の呼吸」を感じながら、とても良い状態を魅せることができました。


次回「後編」では、ベストインショー戦で急遽ハンドリング方法を変更し、勝因につなげたことについて書きたいと思います。


スコッチテリア ダイナマイトキッズ犬舎

スコッチテリアのブリーダー&ハンドラー ダイナマイトキッズ ケンネル櫛引久丸&幾久子です。 ホームページでは、当ケンネル所有犬のショー歴、子犬出産情報などをお知らせします。またビーグル犬のブリーダー活動歴も紹介しています。

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